活動報告

主催:メンズサポートルーム大阪 共催:財団法人東海ジェンダー研究所 
協力:『男』悩みのホットライン

DV加害者に対する新しい援助の考え方と実践
~DVの真の解決のために~

日 時 : 2009年11月29日(日)13:30~16:30(受付13:00~)
場 所 : ドーンセンター 4階第1大会議室 
      〒540-0008 大阪市中央区大手前1-3-49 
プログラム:

○ 講   演 「加害者」の感情と向き合う(午後1:40~2:20)
  講師:濱田 智崇氏(臨床心理士・『男』悩みのホットライン代表)
○「男の非暴力グループワーク」の体験 (午後2:30~3:50)     
  進行役:メンズサポートルーム大阪スタッフ
○ 質疑・応答 (午後4:00~4:30)    

メンズサポートルームは、男性が家庭内で暴力なしで暮らす方法を学び、自分の感情の豊かさを取り戻すことを目的に、1998年より 『男の非暴力グループワーク』 を実施してきました。
グループワークとは、DV加害者である男性当事者が集まり、誰にも話せない、わかってもらえない心の内(つらさ、寂しさ、怒り、戸惑いの気持ちなど)を同じ悩みを持つ男たちに打ち明け、また耳を傾ける場です。
これまで、多くの男たちに出会いました。

・DVが原因で、妻や子どもとの関係が壊れてしまった男たち
・離婚問題に直面し、ひとりでどうしていいかわからない男たち
・妻からの攻撃の対処法がわからず悩んでいる男たち
・そして、妻や家族とのよりよい関係への修復を強く望む男たち


グループワークに参加する中で、
・妻や家族との関係を修復できた男たち
・自分の本当の気持ちに気づき、離婚を選んだ男たち
・そして、自分らしい人生を求め、新たな一歩を踏み出す男たち


この度、財団法人東海ジェンダー研究所と、『男』悩みのホットラインにご協力いただき、長年、DV加害者の非暴力をサポートし、培ってきた援助の考え方や実践方法をお伝えする機会に恵まれました。
この機会に、是非、DVの真の解決のために必要なことを、多くの方々と共有しDV加害者を援助することとはどういうことかを一緒に考えていただければと思っています。

スタッフ一同
* * * * * * * * * * * * * * * * * * *

<質疑・応答、参加者アンケートまとめ(アンケート総数-11通)>
1)この講座の開催を、どのようにお知りになりましたか。(複数回答有り)

a:チラシ-8名
b:ネット-2名
c:口コミ-0名
d:その他-3名 (スタッフの紹介-2名、DV研修時の紹介-1名)

2)講演「加害者」の感情と向き合う についての、ご意見、ご感想

【質疑・応答】
●東京の加害者プログラムを批判的に対比しておられますが、私が受けたプログラムは、批判されるようなものではないと思っています。もう少し具体的にプログラムを実施されている団体を話してもらえませんか。
→東京で実施されている加害者プログラムと対比することによって、我々が行っている
加害者プログラムとの違いを理解してもらえると思い、話をさせていただきました。
東京にも加害者プログラムを実施されている団体がいくつかあるのは、存じておりま
すので、東京とひとくくりにしたことについては、申し訳なかったと思います。
具体的な団体名については、個別に話させていただきます。
●DVの件数については、昔から数が変わっていないように思いますが、今こうして
DVが話題になるのは、どうしてでしょうか。
→DV防止法が施行され、社会的に表面化するようになった影響だと思います。
【アンケート内容】
●東京と関西に分けてしまうのは? 試行錯誤の中で、それぞれが歩んでいる途中だから、対立でもなく対比でもなく、こういう人(グループ・先生)があるということで、いいのではないでしょうか。
●「行為の向こう側にある感情を扱う大切さ」に関して、なるほどとうなずくことが多く、とても分かりやすい説明でした。対人援助の「当たり前」が重要という意味が理解できました。
●ジェンダーと暴力の関係をもう少し詳しく、又カウンセリングの重要性をもっと聞ければと思いました。
●DVは大人になって家庭内で突然起こるのではなく、そこに至るまでの人生で培われた、物の見方や考え方、出会った大人の影響も多いだろうなと話を聞きながら思った。中学校の教員をしているので、教員の暴力性についてもいろいろ考えました。同じだなと。
●もう少し時間をかけて聞く話だと思いました。
●いろんな人の話を聞けて有意義でした。
●東京と比較した大阪での取り組みはよくわかりました。暴力はよくないこととはわかっていても、抑えられないから暴力になると思う。講演にもあったように感情をきちんと聞きあう習慣を身につけることが必要で、そうした感情を受け入れてもらえないとむしろ加害者であっても被害者と言えるのではないかと感じた。
●少し理解しにくいものでした。加害者の中にある感情は、男らしさ、パートナーに求める女らしさというジェンダーがあるのかなと思います。男性、女性という枠ではなくそれぞれ皆が、自分らしく生活できたらと思います。
●暴力は、表面上に出ているだけの現象であり、真の問題は心の中にあるということ。だから、ただその暴力だけを止めさせても真の解決にはならない。そして、そうして相手を傷つけていることは、自傷行為でもあるということ。以上の事を加害者はじっくり受け止め、又受容されていく事で回復に向かっていくんだと感じました。
●私が判断することではないと思いますが、被害者の話を聴く側からは、バタラーってこんなもの?って感覚です。男性のサポートルーム参加者の方があまりにも穏やかなので。
●被害者支援の仕事をしてしますが、ケース対応の時は、何があっても「暴力はいけない」と加害者側の思いには、あえて目を向けないようにしています。でも今日のお話で「弱みを見せない」「見せられない」男性の気持ちがよくわかりました。男性(加害者)も「話したい」「聴いて欲しい」と思っているのですね。

3)「男の非暴力グループワーク」の体験 についての、ご意見、ご感想

【アンケート内容】
●男性の「気付き」で私自身も「新しい気付き」がありました。ありがとうございました。
●最初は多くの人、知らない人の前でしゃべるのはできないと思っていましたが、自然と話したくなる気持ちが分かりました。
●みなさんのお話を聞くことができて貴重な経験でした。ワークができなかったのは非常に残念でしたが・・・。次回の楽しみに、とっておくのもよいかもしれません。
●離婚以外の選択肢が本当にあるのだろうかと、違和感があります。妻からのアドバイスで、サポートルームに来られた方がおられ、少しびっくりしました。その方の妻の気持ちも知りたいです。
●ワークの中の気付きで自己成長していくプロセスを知り、非常に勉強になった。初めての出会いの中で、後半盛り上がり楽しかった。
●何年もかかって自分なりに変わろうとする力をつけてきているのは、すごいと思いました。自分を見つめる力を養ってこられ、妻の方もまた勉強して理解し合えればいいと思います。

4)その他講座全体を通してのご意見、ご感想、今後やってほしい企画等の自由意見

【質疑・応答】
●DV加害者の問題に取り組むことについて、行政側が遅れていると思います。こういったプログラムを実施される方を養成するには、どうしたらいいでしょうか。
→電話相談に関しては、静岡県で何回か講座を開き養成した実績があります。要請があれば、同様の対応を行います。
→東京のアウェアでは、DV加害者プログラム・ファシリテーターを目指す方のための研修を実施しています。
→メンズサポートルーム大阪では、参加者の中から熱心な人をスカウトしています。
●このグループワークでは、自尊感情を高めることをメインに考えておられるのでしょうか。
→そうでもありません。男性の中の弱み(寂しさや悲しさ)の感情を芽生えさせることも重要であると考えています。

【アンケート内容】
●DV加害当事者がこういう援助を行っていることが、すばらしい。
●生育歴の中にも、暴力を奮うようになる原因があると思う。
●人はみんな性善説と思う。生まれながらにして暴力的な人はいないと思う。
●男性のためのカウンセリングも必要だと感じた。
●地方への出前講座を企画してください。
●参加できて本当によかったです。ありがとうございました。
●参加するまで、どんな場になるのか、ちょっとこわごわという、正直感じもありました。
女性の立場で、被害者・加害者にこだわらず、すべての人が幸せに暮らせるよう何ができるのか、自分なりに考えていきたいと思います。
●男であっても女であってもいろんな生き方があってもいいという、人が生きていく上での土台のようなことを再確認した。又、人が何かドタバタしている時(例えば、暴力をふるう、アルコール依存になる等)は、その人が自分の本当の悩みに気付いてない時で、気付くことは苦しいけれど、あたたかい人間関係があれば、失敗が失敗でなく、成長になるんだというあたり前のことも改めて考えた。加害者更生・・・。「更生」しなければならないのかな?
加害者だった人が、弱くてもいい、ありのままの自分を受け入れられたら、それでいいんじゃないかなと思う。寂しい、悲しい、苦しいも必要、強さも必要。そういうことが心の底から思えるといい。
●DV加害者も多様であり、その人に合ったプログラムということで、多様なプログラムがあってもよいと思っています。
●もっともっと話の交換ができるとよかった。
●暴力が無くなっていった過程等を知りたいと思います。貴重なお話を伺えてよかったです。
ありがとうございます。
●又開いてください。
●被害者支援のあり方も変わらなければならない面もあるのだろうと思っています。
行政が関わると一方的な保護に動きますが、じっくり回復する時間が必要な被害者もいる。その支援を考える必要性が見えてきた集会でした。
●男性のDV加害者を支援する場所が少なすぎる。一方的に保護命令を出して終わりでは、あまりにも無責任のような気がする。やり方はどうであれこういった男性のサポートをする場所が全国に広がることを望みます。

Print Friendly, PDF & Email